クラウドSIMとは？仕組みを解説！おすすめするメリットやデメリットについて

クラウドSIMとは、仮想SIMカードを利用してインターネット接続を行う仕組みです。

uCloudlink社が提供する技術で、同社が販売するモバイルルーターやスマートフォンなどインターネット接続端末で利用されています。

従来の物理SIMカードを用いた通信では、契約した特定の1社の電波しか利用できませんが、クラウドSIMの仕組みを用いることで、「SIMバンク」というサーバー上に接続された複数のSIM情報の中から最適なものを選択肢通信が行えるという大きなメリットがあるのです。

本記事では、クラウドSIMの仕組みや特徴、メリット・デメリットについて解説します。　

メリット	デメリット
通信障害に強い さまざまなキャリアの回線が利用可能 利用できるデータ容量が大きい 海外でも利用できる	利用するキャリアの回線を選べない 通信速度が速くないケースもある 無制限プランはない 過去のトラブルのイメージがある

クラウドSIM（クラウドWiFi）とは

クラウドSIMとは、物理的なSIMカードではなく、ソフトウェアで仮想的にSIMカード機能を実現する技術です。

通常の物理SIMカードと異なり、特定の通信事業者に依存しないため、日本だけでなく、世界中の様々な通信事業者の電波に自動的に接続することができます。

ここではクラウドSIMの3つの主な特徴を紹介しましょう。

SIMカード不要で使える

仕組みに関しては後述しますが、クラウドSIMには物理SIMカードは不要です。

インターネットに接続された「クラウドSIMバンク（クラウドSIMサーバー）」から、「仮想化されたSIMカード情報」をダウンロードして端末に保持することができます。

そのため、SIMカードの差し替え不要で特定の事業者に依存しないインターネット接続を利用することができるのです。

その場に最適な電波を選択

クラウドSIMは、特定の通信事業者に依存しないため、その場所で最適なキャリアの電波を自動で選択してインターネット接続をすることができます。

つまり、人混みで混雑しているような環境でも、繋がりやすい可能性もあるのです。

既存クラウドSIMサービスでは、この特性を活かして、オプションプランとして「海外でもそのまま利用できる」ということを謳ってきましたが、最近では、周遊に対応した海外旅行専用のクラウドSIMサービスも登場しており、SIMカード差し替えなしでさまざまな国を行き来できるため、人気が高まっています。

uClounlink社の技術

これらのクラウドSIMの技術は「uCloudlink社（深セン市優克聯新技術有限公司）」の特許技術を使用しています。

近年では、5Gシステムにも対応し、従来の4G機種の課題であった通信速度についても大きな改善が見られています。

• 特表2021-517744
• 表2021-536148

これまでの説明は、uCloudlink社による解説を噛み砕いたものです。

下記にその説明を引用します。

クラウドSIMの仕組みとは

SIMカードを内蔵していない「クラウドSIM」とは、通常のモバイルルーターとはどのように違うのでしょうか？

違いとその仕組みについて見ていきいましょう。

1.クラウドサーバーへリクエストを送信

クラウドSIM対応端末の電源を入れると、クラウド上のサーバーに接続されます。

このクラウドサーバーには、物理SIMカードが大量に挿入されていると考えられており、その中から端末の所在地でもっとも電波状況が良いSIMデータ情報をリクエストします。

2.SIMバンクが適切なSIM情報を送信

SIMバンクが端末からのリクエストを受け付けると、サーバーないにある挿入されたSIMカードデータの中から最適なSIMカード情報を選択します。

選択されたSIMカードデータの認証情報が、クラウドSIM対応端末へ送信されます。

3.仮想SIMでモバイルデータ通信を行う

サーバーからSIMカードの認証情報を受け取った端末は、端末内に仮想SIMを生成します。

その仮想SIMを利用し、SIM発行元のキャリア回線にアクセスできる、という仕組みになっています。

この一連の仕組みによって、理論上はクラウドSIMサーバーに挿入されているSIMカードの種類の分だけ、さまざまなキャリアの電波を利用することが可能です。

クラウドSIMの注目すべき4つのメリット

従来タイプのモバイルルーターと比較して、クラウドSIM搭載のモバイルルーターの優れている点は下記の4つです。

通信障害に強い

やはり、１番のメリットは「通信障害に強い」という点でしょう。

これは何も「災害時」などの特殊な環境に限った話ではありません。

この「通信障害」に関しては、イベントなどの人混みでの「繋がりにくい」という状況も含まれます。

人混みでの通信障害は、そのエリアを管轄している基地局の利用限度数を超えた場合、繋がりにくくなると言われていますが、当然、その集団の中でも「利用している通信キャリアの偏り」があるため、一部のキャリアでは繋がるという状況も当然あるでしょう。

クラウドSIMであれば、「その場所で最適な電波で通信できる」ため、こうした状況でも通信できるかのせいが高まる可能性があります。

さまざまなキャリアの回線が利用可能

クラウドSIMは、特定のキャリアに依存しません。

その場所で最適な電波を使ってインターネット接続を実現できます。

例えば、山間部や地方では、特定のキャリアの電波が弱い場所でも、クラウドSIMであれば「そのエリアをカバーしている電波」を自動で選択して通信することができるのです。

利用できるデータ容量が大きい

クラウドSIMの仕組みを用いたモバイルルーターのレンタルサービスは、月間利用パケット上限が大きいケースが多いです。

もちろんサービスやプランにもよりますが、おおよそ月間「100GB」が上限となっているものが多くなっています。

一般的になりつつあるスマホの「オンライン専用プラン」のパケット上限の多くが20GBということを考えると、非常に大容量通信ができることがわかるでしょう。

海外専用サービスや海外でも使える国内サービスもあり

uCloudlinkの通信網が世界展開しているということもあり、クラウドSIMの仕組みを用いたサービスは、日本だけでなく世界中で利用することができます。

日本国内を対象としたクラウドSIMサービスでは、オプションとして日額課金制の海外専用プランを用意しているケースもあります。

また、最近では、海外専用のポケット型WiFiレンタルサービスでも、クラウドSIMの仕組みを採用したサービスが登場してきており、端末やSIMカードを変更することなく、複数の国を何の設定もなしに行き来して利用できるのです。

クラウドSIMを利用する前に注意したいデメリット

クラウドSIMを契約する前に注意したいデメリットは、下記の4つです。

利用するキャリアの回線を選べない

クラウドSIMは「その場所に最適な電波を自動で選ぶ」ことで、インターネット通信ができるサービスです。

つまり、裏を返せば、自分の利用したいキャリア回線を選ぶことはできません。

そもそも、電波状況に応じて自動で回線を選択してくれているため、選ぶ必要自体ないのかもしれません。

通信速度が速くないケースもある

クラウドSIMは、利用するサービスや自動選択された回線によっては、通信速度が遅いケースがあるのです。

これは、クラウドSIMサーバー内に格納されているSIMカードの質がサービスごとに異なるためだと筆者が考えています。

通信事業者に関しては、通信網を持っている「MNO＝キャリア」と呼ばれる事業者と、MNOから電波網を借りることでサービスを提供している「MVNO」と呼ばれる事業者の2つに大別できます。

MVNOは、キャリアから通信帯域を「一部借用している」ため、キャリアのように高速通信ができるとは限りません。

また、借用する帯域幅に関しては、MVNOによって異なるため、仮に帯域幅の狭い「遅いSIMカード」がクラウドSIMサーバーに挿入されていた場合、通信速度が遅いケースが考えられるのです。

無制限プランはない

WiMAXとは異なり、クラウドSIMには無制限プランは存在していません。

日本でサービスが開始された2018年から数年は「無制限プラン」は存在していましたが、利用者の増加やトラフィックの増加により、提供することが難しくなりました。

過去のトラブルのイメージがある

実は、クラウドSIMを用いたサービスは、大規模な通信障害に陥り、一部事業者が行政指導に至った事案があります。

原因は、急激に増加したトラフィックに対してクラウドSIMサーバーに挿入するSIMカードの供給が間に合わなくなったことに加えて、SIMカードを提供する事業者が供給を止めたことだと判明しました。

クラウドSIM自体の仕組みが悪いわけではありませんが、この事件をきっかけとして、クラウドSIMに対して良いイメージを持っていない方も中にはいるかもしれません。

おすすめのクラウドSIMサービスは？

当サイトがおすすめするクラウドSIMの仕組みを用いたモバイルルーターのレンタルサービスは下記の2つです。

【個人向け】Mugen WiFi｜5Gに対応した超高速通信が可能

Mugen WiFiは、株式会社FREEDiVEが運営するモバイルルーターのレンタルサービスです。

2024年8月のサービスアップデートでは、ついに超高速通信を可能にする「5G」に対応しました。

月間100GBもの大容量通信が、月額5,000円以下で利用できるお得さに加えて、これまでのサービスとは異なり、下り速度、上り速度ともに大幅に改善しているのが大きな特徴となっています。

さらに、当サイトからの申し込みで月額料金が永年特別割引となるキャンペーンも実施中です。

【法人向け】AiR-WiFi｜10日間の試用期間で安心して導入できる

AiR-WiFiは、株式会社FREEDiVEが運営する法人向けモバイルルーターのレンタルサービスです。

端末は無料レンタルとなっているため、導入時の初期費用を限りなく抑えることができます。

複数台契約割引を実施しており、レンタル台数が増えるほどに1台あたりの月額費用がディスカウントされるほか、10日間の無料試用が可能となっているため、実際の使用感を試してから契約することも可能です。

サポートに関しても充実しており、定期的な利用企業へのヒアリングも実施し、日々サービスの品質向上に努めています。

＼ 端末が無料レンタルで縛りなしも可能 ／

まとめ

以上、クラウドSIMの特徴について解説してきました。

要点ごとに振り返ってみましょう。

メリット	デメリット
通信障害に強い さまざまなキャリアの回線が利用可能 利用できるデータ容量が大きい 海外でも利用できる	利用するキャリアの回線を選べない 通信速度が速くないケースもある 無制限プランはない 過去のトラブルのイメージがある

このように、クラウドSIMの最大の特徴は「複数のキャリアを利用できる」ことです。

特定のキャリアの電波状況に依存しないため、環境要因での「繋がりにくい」が解消される可能性を秘めています。

ぜひ一度、利用を検討してみてはいかがでしょうか。