スマホでよく聞くeSIMとは?デメリットとメリットをわかりやすく解説

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iPhoneに「eSIM」が搭載された「iPhone XS・XS Max・XR」が発売されたのは2018年です。

それから数年が経過し、ようやくeSIMという存在も多くの方に知られるようになってきました。

しかし、これだけ登場から年数が経過しているのにも関わらず、一般的に普及しているとは言えず、まだまだ従来の物理SIMカードが主流となっているのは周知の事実でしょう。

やはり、一般的に普及しないのには、相応のデメリットが存在するためかもしれません。

本記事では、eSIMのデメリットに加えて、メリットについても解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください!

この記事の執筆・監修者
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河村亮介(カワムラリョウスケ)

回線系記事監修者/WEBライター

大手公式サイトでの記事執筆経験他、回線系記事の執筆監修を手がける。利用者のニーズに沿ったサービス提案が得意。通信費用の削減・節約を進めたい。WEBサイト運営事業GreenEchoes Studio代表。キーボードマニア。

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【結論】eSIMはサブ回線としてならおすすめできる

eSIM d2

結論から言うと、eSIMは「サブ回線としてなら」という条件付きであれば、おすすめできます。

やはり、アクティベート面で導入ハードルが高いのは技術的にも問題があると考えています。

スマホに表示されたQRコードを別の端末で読み込む、もしくは印刷して読み込むといった「本末転倒仕様」が「使わない理由」になっているのはほぼ間違いありません。

しかし、2023年9月から提供を開始した「iOS17」からは、「画面に表示されているQRコードをカメラを使わずに読み取れるようになりました。

よって、現在では「iPhoneのみ」でeSIMをアクティベートすることが可能です。

しかし、機種変更時の手続きの煩雑さや物理SIMカードへ戻す行為についても対応にばらつきがあるため、安全面を考慮するのであればメイン回線は物理SIMカードの方が安心できるでしょう。

しかし、eSIMは「2回線目のデータ通信用」として非常に注目されています。

通信費の節約の観点や、電波状況がすぐれない場所でのリスクヘッジ、海外旅行時の現地でのインターネット通信手段としてなどの「限定的な場面」においては、非常に役にたつ仕組みといえます。

simカードとesimの違い

eSIM d3

スマートフォンをはじめとする携帯電話は、それだけでは通信も通話もできません。

いつでもどこでも通信や通話をするためには、基地局から発せられる電波を送受信する必要があります。

この電波の送受信を許可する役割を持っているのが「SIMカード」です。

通信事業者と契約し、通信事業者からSIMカードを貸与されてスマートフォンに入れることではじめて通信や通話ができるようになるのです。

SIMカードに入っている情報
  • 契約したキャリアの通信情報
  • 契約している電話番号

など

従来、このSIMカードは「スマートフォンなどに差し込んで使うもの」でした。

これに対して「eSIMカード」は、「情報を書き換えすることができる内蔵SIMカード」です。

要するに、これまでのSIMカードが「物理的なSIM」であることに対して、eSIMは「電子的なSIM」であるといえます。

これにより、SIMカードの交換が不要となり、手間が省けるだけでなく、物理的な損失や損傷のリスクが減少するだけでなく、乗り換えも自身でオンラインで完結できるなど、さまざまなメリットがあるのです。

eSIMのデメリット

eSIM d4

物理SIMカードと比較して、非常に利便性が高いことから、物理SIMカードに変わって主流となっていくと思われていたeSIMですが、それほど普及していません。

そこにはやはり、特有のデメリットがあるためだと推察されます。

eSIMのデメリット
  • アクティベートに工夫が必要な場合がある
  • アクティベートにWiFi環境が必要
  • SIMカードの交換は不要だがeSIM移管手続きが必要
  • 対応している通信事業者が少ない
  • 機種変更の手続きが慣れないと手間
  • 対応機種がまだ少ない

アクティベートに工夫が必要な場合がある

やはり、普及があまり進まない理由のひとつに、アクティベートのわかりにくさが挙げられます。

eSIMのアクティベートには「通信事業者から送られてきたQRコード」を読み取るという作業が必要ですが、この「QRコードの読み取り」が課題となっているのです。

QRコードの読み取り方法

  • スマホ内部のQRコード画像を読み込む(iOS17のみ)
  • スマホでQRコードを読み取る
  • QRコードをテキスト化してコピーアンドペーストで入力する

すでにお気づきの方もいると思いますが、eSIMは「画面上に表示されたQRコードをスキャン」することで、eSIMとしての機能を有効化(アクティベート)することができるようになります。

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実は、画面上に表示されたQRコードを読み取る機能はiOS17以降でないと実装されておらず、Androidやその他のスマホを利用している方は、別のデバイスにQRコードを表示して自分のスマホで読み取る、もしくはQRコードを紙に印刷する必要があるのです。

これが非常に手間となり、利用ハードルを高くしているものだと筆者は考えています。

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iOS17から端末に表示されたQRコードを表示したスマホで、カメラを使わずに読み取ることが可能になりましたが、この機能を知っている方はそんなに多くないのではないでしょうか。

アクティベートにWiFi環境が必要

また、上記のeSIMの有効化(アクティベート)は、インターネットが接続できる環境、つまりWi-Fiに接続していないと正常に完了することができません。

よって、自宅にインターネットに接続されたWi-Fiが用意できない方は、コンビニなどのフリーWiFiを頼る他ありません。

SIMカードの交換が不要だがeSIMの移管手続きが必要

eSIM d6

eSIMは物理的なSIMカードの交換が不要となっているため、機種変更や通信事業者を変更した際に「外して入れ替える」という作業は不要となります。

ただし、その代わりにオンライン上で手続きを行い、機種変更の場合はeSIM情報を新しい端末のeSIMで手動で移行するなどの手間があるため、単純に「SIMカードの交換」のみがメリットとなるわけではないため注意しましょう。

機種変更の手続きが慣れないと手間

eSIMで利用しているスマホを機種ごと乗り換える場合、iPhoneからiPhoneへ機種変更をするケースを除いては、非常にやり方が煩雑です。

また、eSIMから物理SIMカードに戻す場合なども含めると、通信事業者によって手順がバラバラとなっているため、さらに事態を難解にしています。

乗り換えまでを長期的に考えると、eSIMとして活用するのは現状ではデータ通信専用SIMだけの方が良いかもしれません。

対応している通信事業者が少ない

日本には、自社で通信網をもつ「通信キャリア(MNO)」とその回線を借用する形で通信を提供している「MVNO」とに分けられます。

MNOであるNTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク、楽天モバイルに関してeSIMに対応していますが、eSIMに対応しているMVNOの数はまだまだ少ない状況です。

キャリア系のMVNOでは、ワイモバイル、UQモバイルが対応しているほかにも、独立系ではIIJmio、日本通信、HISモバイル、mineo、NUROモバイル、JMOBILEなどが対応しています。

こうしてみると、通信事業者の選択肢が多くないという点で、好きな通信事業者を選べないという点では、デメリットになりえます。

対応機種がまだ少ない

現在、市場に出ている全てのスマートフォンがeSIMに対応しているわけではなく、選択肢が限られています。

iPhoneであれば、2018年以降に発売された機種すべてにおいてeSIMが搭載されていますが、AndroidスマホはまだまだeSIMの採用例は少ないです。

特に同じ企業が出しているスマホでも、上位機種にしかeSIMが搭載されていない場合も多くあることから、やはり普及までの道のりは長いような印象を持っています。

eSIMのメリットとおすすめする理由

eSIM d5

デメリットばかりに触れてきましたが、それを超えるメリットがあります。

eSIMのメリット
  • 海外専用SIMなら海外旅行でも便利
  • 乗り換え手続きがオンラインで即日開通可能
  • 1台で複数回線を持てるため通信障害でも安心できる

海外専用SIMなら海外旅行でも便利

eSIM d7

eSIMの活用シーンはやはり「一時的な使用」だと筆者は考えています。

そういったシーンでeSIMの魅力を一番活かせそうなのは「海外旅行」の時ではないでしょうか。

メインの通信事業者の通信情報を物理SIMカードとして所有し、海外旅行の時のみ、渡航国で利用できる海外専用eSIMをダウンロードして有効化しておけば、自分のスマホをそのまま海外でも利用することができます。

海外専用レンタルWiFiよりも安価ですし、紛失や盗難のリスクも減ります。

さらには「返却」や「延滞」のリスクもないため、まさに「海外での最適なインターネット手段」と言えるでしょう。

乗り換え手続きがオンラインで即日開通可能

eSIM d8

オンラインでの手続きにより、店舗に行く必要がなく、即日サービスを利用開始できるのは大きなメリットです。

特に、すでにeSIMを利用している場合はその場ですぐに乗り換えが可能となるため、タイムラグを極力小さくすることができます。

1台で簡単に複数回線を持てるため通信障害時でも安心

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esimを利用することで、1台のデバイスで複数の回線を持つことが可能になり、通信障害が発生した際もスマホを利用できる可能性が高まります。

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私はがおすすめするのは、物理SIMカードで維持費の安価な通話専用SIMカードを挿入してメイン回線とし、サブ回線にデータ通信SIMを入れることです。こうすることで、2つの回線をより安価に保つことが可能となっています。

まとめ

以上、eSIMについてのメリット、デメリットについて紹介してきました。

やはり、iOS17以外はアクティベートに工夫が必要なことに加えて、機種変更、通信事業者の変更、eSIMから物理SIMカードへの戻し方などが統一されていない部分を考えると、やはり普及にはソフトウェアの面で課題が大きいと言わざるを得ません。

やはり現時点で安心なのは、メイン回線は物理SIMカードで運用し、サブ回線をeSIMで活用するといった使い方が良いでしょう。

そういった面では、メイン回線を格安スマホ事業者回線に変更し、サブ回線をデータ通信専用にする形でpovoなどを利用する形がおすすめです。

また、先に触れたように、今後海外旅行へ行く際のデータ通信手段は、恐らくはeSIMが主流になると思われます。

海外旅行へ行く際は、ぜひ海外専用のeSIM「SkySiMdata」の利用もご検討ください!

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この記事を書いた人

河村亮介のアバター 河村亮介 GreenEchoe Studio代表

キャリア・格安スマホに関する知識をはじめ、モバイルWi-Fiルーターや固定回線など通信関連全般に精通し大手公式メディアへの寄稿など幅広いメディアでの執筆監修を手掛ける。キーボードマニア。GreenEchoesStudio代表。
(著者プロフィールは下記リンクからご覧いただけます)

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